閉塞性睡眠時無呼吸(OSA):その③ 治療  “あなたの無呼吸は、どのタイプですか?

睡眠時無呼吸の治療というと、まず「CPAP療法」が思い浮かぶ方が多いと思います。
👉参考コラム「CPAP療法とは?閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)治療の原理と適応


しかし実際には、コラム「閉塞性睡眠時無呼吸(OSA):その② 病態・リスク・合併症
で述べたように “4つの病態生理的特徴(エンドタイプ)の組み合わせで起こる多因子疾患 です。

つまり、OSAは

・ 病態は人によってまったく違う
・ 同じ重症度でも原因がまったく違う
・ だから治療の最適解も人によって違う

という疾患です。


  4つのエンドタイプに応じた閉塞性睡眠時無呼吸の治療選択肢

● A. 解剖学的要因が強いタイプ

(顎が小さい・扁桃肥大・鼻閉・肥満など)

治療選択肢:

・口腔内装置(マウスピース)
・上気道手術(扁桃・UPPP・舌根・鼻手術など)
・減量(運動、栄養指導、薬物療法、必要に応じて減量手術)
・体位療法(側臥位睡眠サポート枕 など)
 →参考まくら:Lofty ボディーピローいびき
          BRAIN SLEEP ピロー スタンダード


● B. 上気道開大筋の反応性低下が強いタイプ

(咽頭開大筋の反応が弱く、気道が潰れやすい体質)

治療選択肢:

・舌下神経刺激療法(HGNS新しい治療選択肢
・上気道筋トレーニング(oropharyngeal exercise
・薬物療法(研究段階だが有望)


● C. 呼吸制御の不安定性が強いタイプ

(呼吸の振り子が大きく揺れる体質)

治療選択肢:

・酸素投与
・アセタゾラミド(炭酸脱水酵素阻害薬)


● D. 覚醒しやすさ(低覚醒閾値)が強いタイプ

(わずかな呼吸努力で覚醒悪循環)

治療選択肢:

・薬物療法(覚醒閾値を上げる方向)
日本では臨床応用はまだ限定的


  CPAP療法は??

上記 すべてのタイプをカバーしうる治療  CPAP です。
CPAP
については別コラムで詳しく解説します。

ただし一点強調したいことがあります。

・「睡眠時無呼吸の治療=CPAPだけ」ではない

・「自分のOSAがどのタイプかで治療の最適解が変わる」

これこそが、現在重視されている
個別化医療(Precision Medicine)としての閉塞性睡眠時無呼吸治療 の考え方です。


 まとめ

睡眠時無呼吸の病態は “千差万別” であり、
原因に応じた治療を組み合わせることが最重要 です。

そしてその中で、
CPAPは現在、エビデンスに基づく睡眠時無呼吸の標準治療であり第一選択となることが多い治療法です。ただし万能薬ではなく、あくまで選択肢の一つという位置づけになります。


 参考コラム
・「閉塞性睡眠時無呼吸(OSA):その① 定義・疫学
・「閉塞性睡眠時無呼吸(OSA):その③ 治療  “あなたの無呼吸は、どのタイプですか?
・「肥満と睡眠時無呼吸(OSA)の悪循環
・「痩せればいびき・睡眠時無呼吸(OSA)は治るのか?
・「イビキが気になったら最初にやること― 専門医が解説する受診前に知っておくべきこと 」


【執筆】
星野哲朗
日本睡眠学会 指導医・総合専門医
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
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