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不眠症に対する認知行動療法マニュアル【単行本】

不眠症に対する認知行動療法マニュアル【単行本】

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不眠症の治療というと、多くの方は睡眠薬を思い浮かべるかもしれません。
しかし現在、世界的なガイドラインでは「認知行動療法(CBT-I)」が第一選択の
治療とされています。

**認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy:CBT)**とは、
ものの捉え方(認知)や、日常の行動パターンに働きかけることで、
症状の改善を目指す治療法です。

不眠症では、
「今夜も眠れなかったらどうしよう」
「早く寝なければならない」
「ベッドに入ると目が冴える」

といった考えや行動が重なり合い、眠れない状態そのものが、
“習慣のように固定されていく”ことがあります。

不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)は、こうした悪循環を一つずつ整理し、
睡眠を妨げている考え方や生活行動を、現実的な形に整えていく治療法です。

薬のように「眠らせる」治療ではなく、眠れる状態を取り戻すための土台を整える
治療、それがCBT-Iです。


【本書について】

本書は、不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)の実践方法を臨床の現場で
使える形で体系的にまとめたマニュアルです。

CBT-Iの治療は、以下のような流れで構成されています。
・不眠がなぜ続くのかを理解する
・睡眠に関する基本的な知識を整理する
・心身の緊張を緩める方法を学ぶ
・刺激制御法や睡眠制限療法を用いて、睡眠・覚醒リズムを整える
・治療全体を振り返り、再発を防ぐ

内容は段階的で、「何から始めればよいのか」「どこを修正すべきか」が、
自然に理解できる構成になっています。

専門家向けに編集された書籍ではありますが、
睡眠について「きちんと理解したい」「自分で整えていきたい」
と考える方にとっても、非常に多くの気づきを与えてくれる一冊です。


【私のクリニックでの実際の使い方について】

正直なところ、外来診療の中で、認知行動療法を一から丁寧に行う時間を
十分に確保するのは簡単ではありません。

そのため私は、自分で取り組めそうだと感じた方には、
不眠症の概略と睡眠衛生指導を行った上でこのマニュアルをお貸しし、
「まずは一度、読んでみてください」とお伝えしています。

すると多くの場合、ご自身の不眠の仕組みが整理され、
それだけで改善のきっかけをつかまれる方が少なくありません。

認知行動療法は、「医療者が何かをしてあげる」治療ではなく、
患者さん自身が、自分の睡眠と向き合い、気づき、整えていく治療です。

その意味で本書は、非常に完成度の高い内容と感じています。
私自身も大変多くのことを学ばせていただきました。


【最後に】

不眠症の治療は、睡眠薬だけが選択肢ではありません。

認知行動療法は、不眠症に対して非常に有効な治療選択肢の一つです。

正しい情報と、少しの行動の修正によって、
睡眠は自分の力で変えていくことができます。

本書は、そのための
静かな伴走者になってくれる一冊です。

【参考コラム】

・「「夜中に目が覚めるから睡眠薬」― その判断、待ってください
・「人はなぜ眠るのか?睡眠の役割と2つの調節メカニズム
・「カフェインは何時間前までOK? 睡眠を壊さないための正しい知識
・「アルコールと睡眠   寝酒で“眠れる”は本当か?


【執筆】
星野哲朗
日本睡眠学会 指導医・総合専門医
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医

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