メラトニンとは?睡眠ホルモンの働きと、光・食事・サプリで整える具体的な方法

■ メラトニンとは

メラトニン(Melatonin, N-acetyl-5-methoxytryptamine)は脳内の松果体(しょうかたい)から分泌されるホルモンです。
魚類・両生類から始まり、鳥類、齧歯(げっし)類、ヒトを含む霊長類まで、多くの動物で産生されています。

季節性リズム(繁殖、渡りなど)
概日リズム(睡眠、体温、ホルモン分泌など)

の調節に深く関わっています。

メラトニンは必須アミノ酸トリプトファンを原料として合成されます。
この合成の中心で働く酵素 N-アセチルトランスフェラーゼ(NAT)は、

体内時計(視交叉上核:しこうさじょうかく)
外界の光

によって強く調節されます。

そのため、

日中:メラトニン低値
夜間:メラトニン高値

という明確な日内リズムが生まれます。


■ メラトニンが高くなるとどうなるか

メラトニンは「眠くなる薬」ではなく、体を眠るモードに切り替えるスイッチです。

● 睡眠モードへの切り替えシグナル
メラトニンが上昇すると体内時計に
「今日の活動を終えて、休む準備を始めなさい」
という合図が送られます。

その結果、

・体温がゆっくり低下
・血圧が下がる
・覚醒レベルが下がる
・気分が安定しやすくなる

という、眠りにつきやすい状態に移行します。

● 目(網膜)にも作用
メラトニンは網膜にも働き、

・光への反応性を下げる
・夜間の刺激に過敏になりにくくする

ことで、睡眠への移行を助けます。


■ 光はメラトニンを強く抑制する

白色LEDに多く含まれる 青色光(ブルーライト) は
ipRGC(メラノプシン含有網膜神経節細胞)を刺激し、
メラトニンの分泌を強力に抑制します。

夜に強い光を浴びると眠れなくなる
スマホを見ると寝つきが悪くなる

のはこの仕組みによるものです。


■ いい眠りにはメラトニンが必須

① 夜の光を制限する
強い照明やスマホの光はメラトニンを低下させ、眠りの質を下げます。

就寝2時間前は「暗め・暖色系の照明」
寝る直前のスマホ・PCの使用を避ける

これだけで睡眠の質は大きく改善します。

② トリプトファンの多い食事をこころがける
トリプトファン=メラトニンの材料となる必須アミノ酸。
👉関連コラム「トリプトファンの多い食事を心がけると、睡眠は本当に良くなるの?」

体内では
トリプトファン → セロトニン → 夜にメラトニン
へと変換されます。

✔ トリプトファンの多い食品
鯖缶
牛乳/ヨーグルト/チーズ
味噌・納豆・大豆製品

バナナ
ナッツ類

③ メラトニンの前駆体(トリプトファン)サプリを利用する

メラトニンは
トリプトファン → セロトニン → メラトニン
という経路で体内合成されます。

日本では、メラトニンは医薬品に分類されており、サプリメントとして
国内で販売・入手することはできません。

また、トリプトファンを含むサプリメントについても、
・効果の個人差が大きい
・用量や品質のばらつきがある
・長期使用の安全性が十分に確立されていない

といった理由から、睡眠治療の中心として位置づけることはできません。

そのため、Good Sleep Solutions(GSS)では、
メラトニンやトリプトファンを含むサプリメントの取り扱い・推奨は
行っていません。

現実的に重要なのは、サプリに頼ることではなく、
・夜の光を抑える
・朝の光を正しく取り入れる
・規則正しい生活リズム
・トリプトファンを含む食事を安定して摂る

といった、メラトニンが自然に分泌される環境を整えることです。

④ ビタミンB6・マグネシウムも一緒に補充

● ビタミンB6
メラトニン合成に必須の補酵素で、
トリプトファン → セロトニン
セロトニン → メラトニン
のどちらにも必要です。

● マグネシウム
酵素全体の働きを支え、
メラトニン生成
神経の興奮抑制
により睡眠をサポートします。

迷われる方のために、安全性の確認できるものをいくつか掲載しています。必要に応じて参考にしてください。
👉参考サプリ「ネイチャーメイド カルシウム・マグネシウム・亜鉛


■ 注意点
サプリは「補助」であり「睡眠薬の代わり」ではありません。
過剰摂取はリスクがあるため、必ず推奨量を守ってください。
医薬品や他のサプリ・治療との併用は、担当医・薬剤師に相談を。
サプリをどれだけ使っても「光のコントロール・睡眠衛生・食事」が整っていないと効果は限定的です。


【監修】
星野哲朗(日本睡眠学会 指導医・総合専門医)

 

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